愛人契約

彼とは愛人契約を結んでいる。
最初は、別に長期に愛人契約をする気はなかったけど、一応最初は3か月ごとに更新する形にしてたけど、最近はお互いそんなことをしてない。
もう私たちは、そんな愛人契約を必要とするほど、弱い関係ではないから。
もちろん、愛人という立場であることには変わりない。
だが、一応、彼の妻の了解も得ている。
彼の妻は、彼より年上で、しかも病弱なのだ。
彼の妻が出した条件は「私が死んだら、愛人と籍を入れること」だった。
だから、私たちの愛人契約は、結婚予約の意味合いが強い。
ある時、彼の妻が内緒で私を自宅に招いた。
病弱と聞いていたが、体格のいい、おっとりした感じのご婦人だった。

「ごめんなさいね。私がこんな体だから、夫の世話を頼むようなことして」と彼女は私にお茶を勧めた。
彼女の真意は分からない。本当は女として悔しい思いをしていたのかもしれない。
だが、次の瞬間、私は彼女の奥深さを知らされた。
彼女は私の手をにぎってこう言った。
「あなた、本当にいいの? ご迷惑ではないの? あの人で本当にいいの?」
もちろん、私は彼のことを愛していると思う。だけれど、今では、彼よりむしろ、彼の妻の方に強い愛着を持っている。
それ以来、時々自宅に呼ばれてお茶をいただくが、恨み事を言うのでなく、かといって愛人契約のことを知らん顔するのでもなく、微妙な線引きをしてくれているのが分かる。
こんなに知的で繊細な女性を今まで私は知ったことがない。
彼女の本音まで見透かすことができないのが歯がゆい。
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